2004.12ドンキホーテ放火事件
2004.12.13大宮にある量販店ドンキホーテが相次いで放火され、うち浦和花月店(埼玉県さいたま市)では3名の従業員が亡くなられた。
亡くなられた3名に合掌。
さて、事件があるとかならず、体制が問題になる。
売りといわれた圧縮陳列が、延焼の要員だとも。
されば、消防の指導はどうだったのかということも議論しなければならない。
実際、消防も何度も指導はしていたようだ。
が、この指導も、どの業界の店舗よくある程度の指導内容で、致命的なものとは思われない。
圧縮陳列そのものが危険としてテーマとなったことは無いのである。
例えば、消防署でさえも、階段や通路に物を置いてあることはある。
もちろん消防法違反である。
が、どこまで厳密に取り締まるべきかと言う問題もあり、許容範囲かも考慮しなければならない。
ある取材で、逃げた客の一人のインタビューで「避難誘導がなかった」と言うものがあった。
彼の主張では「非常ベルが鳴って、見ると炎が上がっていて、あれじゃもう消せないと思ったが、避難誘導もなく、自主的に逃げて難を逃れた」という。
あたかももっともらしいが、客観的に言えば、必ずしも正しくない。
非常ベルが鳴って直ちに避難誘導があるべきかどうかは問題だ。
犠牲者が出た結果としてはよく言われるが、悲しいかな誤動作やイタズラの頻度のほうが多い。
現場を確認して判断することが、無用な混乱を防ぐためには大切である。
火災報知器がなっただけで119番通報しても、必ずしも消防車はとんでこない。
「見ると炎が上がっていて、あれじゃもう消せないと思った」のは彼の感覚であり、先ず初期消火をすることは大切だ。
そしてまた、他の従業員に連絡を取り、体制を整えるのにも時間はかかる。
実際、避難誘導は行われており、客の中に犠牲者はいない。
彼がその避難誘導を聞き漏らしたこともあるだろうし、時間差で直ちに避難誘導されたかもしれない。
これをもって、必ずしもも、店の対応が、著しく悪かったとは言えないだろう。
ただ誰かを悪く言うなら「店が燃えているのに消防車は来ていなかった」といえば、消防も怠慢ということになってしまう。
また、亡くなった従業員は、店の中に逃げ遅れたものがいないかを確認しに行って、犠牲となられているという。
責任感のある対応が仇となった残念なことだ。
彼のインタビュー内容は、無責任な一客の単なる話であり、自らの命をもって客の安全を守ろうとした従業員がいたという店に対して発言するにはお粗末である。
しいて言えば、危険を見て、自分が逃げただけなのか?
消防への通報や、他の客の避難誘導に手を貸したりしたのかという問題もある。
もちろん、一人の客が、こういったことをしなければならないという義務はない。
が、後で危険や対応を論ずるなら、そのくらいのことをしてもバチは当たらない。
ただ願わくは、最良の事件対策と、亡くなられた従業員としての、誠意ある会社の対応であろう。
誠意の度合い、すなわち、会社の事件に対する認識の重さである。
また、放火犯検挙は、警察の任務である。
確実な検挙は、模倣犯の抑制に重要だ。
他国とブービーを争う低検挙率は、犯罪奨励をしていると言っても過言ではない。

新規作成日:2004年12月19日/最終更新日:2004年12月19日